推薦メッセージ

ビジネスパーソンに必須の知識:
会計情報を通じて企業状況を理解しましょう
梶浦 昭友 さん関西学院大学 名誉教授
会計はビジネスの言語といわれます。企業経営を円滑に進めるには、会計数値による計数管理が必要ですし、ビジネスにまつわるメディアには、日常語として会計用語が多く用いられます。また、各種の企業関係者(ステークホルダー)は会計情報を通じて企業の状況を読み取ることになります。会計知識は、会計情報を作成する経理パーソンにだけ必要なものではなく、企業や組織と関わるすべてのステークホルダーにとって、必須の知識といえます。
地図の利用者が基本的なルールを知っていれば、地図の作成を意識しなくても利用できるのと同様に、会計情報にも、作成を意識しなくても利用できる領域があります。それが財務諸表を読んで企業情報を解釈する領域であり、一般に財務諸表分析といわれます。ビジネス会計検定試験は、財務諸表分析を行って企業の状況を知るための、基本的な会計ルールと財務諸表の仕組み、さらにはそれを読解するための分析方法に関する知識を得られる検定試験として開発されました。
企業に関する情報はあふれています。近年ではインターネットの普及に伴い、情報は爆発的に増加しており、正否の判断がむずかしい情報や誤った情報が流されたりもします。不正経理の存在は完全には否定できませんが、その監視を含めて、会計知識の広汎な普及が、健全な経済社会を支える基盤となります。また、企業活動はますますグローバル化の度合いを高めており、財務諸表を読み取るルールも国際化が進展しています。日本の会計ルールも急速に国際会計基準への対応が進められています。ビジネス会計を学び、企業の状況を読み取る能力を養うことにより、企業を見る目を世界に拡げる端緒にもなるでしょう。
会計情報に関わる知識が有用な場面は、企業に留まらず、自治体や各種の公共団体、民間組織にも多様に存在します。ビジネス会計検定試験を通して、ビジネスパーソンや自治体職員、さらにはこれから社会に出ようとする学生の皆さんをはじめとする、いわば一般社会人の常識として、多くの方々が、会計に関する正しい知識や分析力を身につけていただき、経済社会の発展の基礎となる能力を高めていただくことを願ってやみません。

数字への理解深めて職場の活気引き出す
西川 哲也 さん公認会計士・税理士/株式会社ディーファ 代表取締役
会社が成長していくには、社長だけでなく、幹部や一般社員も含めた広い階層が、会社の未来を数字で考える力を身につけることが必要です。
ビジネス会計検定は、どういった点が優れているのでしょうか。
ビジネスの現場にいるかぎり、経理部門以外でも数字を読み解く力が求められます。ビジネス会計検定の良いところは、決算書の数字を読み取って会社の状況を理解することにフォーカスしている点です。数字を通して会社の状況を理解するための基本的な知識や思考を身に付けるのに、適しているといえます。
数字に強い人材が社内に増えると、どんなメリットがありますか。
経営者の皆様からよくお聞きするのは、今の業績が好調でも常に将来に向けての危機感があるということです。数字に強い人材が経営者以外にも社内にいると、決算書をもとに危機感を共有し、将来の会社の成長に向けて、とるべきアクションをともに考えることができます。
幹部だけでなく一般社員のかたも数字に強くなると、会社や仕事への関心が高まります。新しいアイデアを出したり、仕事を工夫したりできる人材が増えて、将来、会社が大きく飛躍する足がかりにもなります。
中小企業の後継者はもちろん、次世代の社長やその幹部の受験もおすすめです。後継者本人が数字に強い場合は幹部にも勉強していただいて頼れる相棒にするとよいでしょう。
中小企業の後継者から、数字が分かるようになると、『こう考えると事業の可能性が高まる。これをやればいいのか、と気づいて仕事が面白くなってきた』といった声もよくお聞きします。
とりわけ中小企業では、どう活用できますか。
中小企業では職場内訓練(OJT)で社員に力をつけてもらうケースが圧倒的に多いです。その基礎体力として数字の構造が分かって日々の業務に取り組んでいるのとそうでないのでは伸びが全然違います。これから力をつけてほしい社員さんに基礎知識としてビジネス会計をマスターしてもらい、仕事の面白さを数字の面からも実感してもらうのがよいでしょう。
学習の進め方は。
ビジネス会計の勉強は、簿記の知識がなくても始められます。試験には財務諸表の相互の関係性の理解を問う出題が多いです。そのため過去問題をたくさん解くのが有効な対策になります。なんとなく数字が分かっていると思っている人も3級を受けて体系的に学ぶのがおすすめです。